鶏ふん堆肥のこれから その3
今回は耕種農家の視線から、鶏ふん堆肥のこれからを考えてみたいと思います。
だれもがご存じのように、耕種農家の世界も担い手が高齢化しております。
農林水産省のデータによると、平成28年10月現在で就労者の平均年齢は67才となっています。
さらに就労者全体の65%以上が65才以上であるそうです。
私がお会いしてきた、畜産農家、耕種農家の皆様は元気でご活躍されておりますので
一般的なサラリーマンのように65才で引退ということはないにしても、
今後、5年後、10年後にはその多くの方が引退せざるおえない時が来るのは明白です。
この平均年齢の変化と共に、鶏ふん堆肥の需要も変化してきたと思います。
今から20年ほど前、農家の平均年齢が50代と推測されるころは
良い堆肥とは良く腐熟した堆肥ということで、需要がありました。
そして10年ほど前、平均年齢が10歳あがったころには
労力が掛からないように、つまり機械散布が出来る状態の堆肥ということで
粒状のものが求められることが多くなりました。
そして、現在、この良く腐熟して、粒状であるということは当たり前の条件ですが
そこに価格競争が激しくなっているのが現状です。
この一つの要因は畜産家側にあります。
それは、一つ一つの農場が大きくなり、局地的に羽数が増え、結果的に局地的に鶏ふん堆肥余りが発生しているのです。
この結果、鶏ふん堆肥が生産過多になるエリアでは、価格競争も厳しくなり
今までと同じ鶏ふん堆肥を、今までと同じ価格で販売していると販売量が減っている現状です。
耕種農家の平均年齢は上がっておりますが、直近の状況では農地が減る、農地の利用率が減るという傾向は出ておりませんが、担い手が減ることで、1経営体あたりの経営耕地の大きさは緩やかに大きくなっています。
また担い手の世代交代が進むことで、効率化もさらに求められる状況です。
これらの背景から1経営体あたりの堆肥の使用量が上がることで、15kg袋、20kg袋といったポリ袋から250kg、500kgと言うフレコンバックでの利用が増えている地域もあります。
以上のように、今、鶏ふん堆肥を取り巻く状況は劇的に、加速度を増して変化していると言えます。
私達、東邦実業は畜産農家と耕種農家の架け橋となるべく、それぞれのニーズを見極め、それぞれに最良の提案が出来るように、未来をしっかり見定めていく責任があると感じております。