畜ふんを発酵堆肥にする
堆肥の発酵は「水」と「空気」と「温度」
※発酵する有機質が充分に有ることが前提です。
もう20年近く前にお客様に教えていただいた言葉です。
今では誰もが知っている当たり前の要素ですが・・・
特に大事なのが「水」と「空気」です。
原料となる、畜ふんは乾いていれば、水を添加することもあります。
その逆に水分が多すぎる場合には、発酵済みの乾いた堆肥を混ぜて調整します。
発酵処理の第一歩は、この水分調整と呼ばれる作業から始まります。
そして調整が終わった畜ふんを雨に濡れない場所に積上げると発酵が始まります。
「水」が適正になりましたら、次は「空気」の調整です。
このまま積上げても自然に発酵が始まりますが、発酵菌の活動で畜ふんが酸欠状態になります。
そのままにしておくと嫌気性発酵と呼ばれる、悪臭(酸味があるドブのような腐敗臭)が発生します。
そこで、酸欠を予防する為に畜ふんの中へ空気を供給する必要性があります。
空気を噴出す配管を設置します。
壁の裏側には送風ブロワーを設置しています。
「水」と「空気」を適正にして堆積した畜ふんは数日で発酵を開始します。
空気をしっかりと供給することで、望ましい好気性の発酵となります。
好気性の発酵は、甘い感じのする発酵臭で、嫌気性の発酵臭に比べて嫌みがありません。
そして3つの要素の最後の「温度」。
発酵処理は菌と言う生き物の作用ですので、どうしても季節気温に影響を受けます。
温かい時期は簡単に発酵が始まりますが、寒い時期になると始まりにくくなったりします。
でも、そんな時は「水」と「空気」を加減すれば大丈夫です。
弊社の経験上、どんなに気温が下がっても、発酵は必ず始まります。
「水」と「空気」の調整が、普段よりシビアになるだけです。
また、早く発酵を立ち上げるには、熱が上がっている堆肥を原料の畜ふんに混ぜることをお勧めしています。
私はタネ堆肥なんて呼んでいますが、こうすることで原料に菌が混ざり発酵がしやすくなります。
※水と空気が最も大事ですが、長期保管された畜ふんの場合、分解できる有機質が減って発酵しづらい場合がございます。
東邦式発酵造粒装置での発酵処理の様子
わたくし達は創業以来40年、畜産農家様と一緒に畜ふんの発酵処理に取り組んできました。
お客様から頂戴した貴重な経験が我が社にございます。
発酵処理にお悩みの方は、是非、弊社までお問い合わせください。
環境設備課 目黒