ふん尿処理ではなく、堆肥生産とは? 最終回
過去、2回にわたり、堆肥生産についてお話してきましたが、いよいよ最終回です。
1回目は、要である粒にすることの重要さを訴えました。
2回目は、粒状化に拘り続けた結果、発酵レーンが短くなったことをお伝えしました。
しかしながら、このことは私共が考え、ご提案したものではありません。
堆肥を生産する皆様と、共に歩んだ結果、必然的にそうなったと言うことなんです。
最終回の結論として
「堆肥生産」とは「必然」にこだわる
それが最も重要だと訴えさせていただきます。
堆肥を使う耕種農家の皆さん、堆肥を作る畜産農家の皆さんの声を反映しただけなのです。
何度も申し上げますが、必然的にそうなっただけなんです。
最終回でお伝えしたいのは、これです。
散布しやすいように粒状にするのは当たり前として
誰に、どこに堆肥を販売するのか?
販売先は何を求めているか?
実際に使う人(耕種農家)はどんな堆肥が欲しいか?
ただ、その必然性を追求して、そこに合わせた堆肥を生産することをお勧めしております。
ここまで、話をしてきて、最後が当たり前のことで申し訳ございません。
でも、堆肥づくりを40年間サポートし続け、堆肥を40年間売り続けた答えがそれなんです。
それでは、必然性にマッチした、実際の事例を紹介いたします。
※写真はイメージで実際の処理場と違う場合がございます。
採卵鶏農場A
■堆肥の販売先
近隣の大規模耕種農家
配達、散布まで行う。
■ニーズ
畑に散布後に、堆肥臭さが出ないこと。
またその際に粉塵が飛び散り近隣に迷惑をかけないこと。
■生産方法
まずは堆肥舎で予備発酵をしっかり行う。
その後に東邦式発酵造粒装置で約30日間の発酵処理を行う。
発酵期間中に乾燥が進むと、発酵が止まるので水を散布して発酵期間を延長している。
水を散布することで、発酵⇔乾燥を繰り返し、発酵期間が長く有機質の分解が進み、堆肥臭さの減少を図ることができる。
また、仕上がり状態の粉塵を少なくなるように調整している。
採卵鶏農場B
■堆肥の販売先
弊社(JA全農向け)
■その農家のニーズ
良く発酵して、良く乾いていること、ポリ袋の中で白くなったりしないこと。
粒のサイズがそろっていること。
■生産方法
東邦式発酵造粒装置で約2週間の発酵処理を行う。
その後、天日乾燥撹拌機で、7日~14日間の乾燥処理を行う。
発酵造粒装置1台に対して、天日乾燥機2台の割合で、乾燥処理に重点を置いている。
その後、トロンメル製品選別装置でサイズ選別をする。
最後はポリ袋に袋詰め。
養豚場A
■堆肥の販売先
近隣の耕種農家
2tのダンプを使い、畑まで無料で配達
■その農家のニーズ
土壌改良材的に堆肥を利用
■生産方法
もみ殻を混ぜて、堆肥舎で予備発酵を7日間。
つづいて東邦式発酵造粒装置で約25日間。
その後、体積槽で2次発酵を約35日間。
完成後、ダンプで配達します。
このように、必然に応えた結果、さまざまな方法の堆肥生産があります。
その必然を知り、形にしてきて、本年9月で42年目を迎える弊社です。
堆肥生産にお悩みの方は、
是非弊社までお問合せください。
環境設備課 目黒