鶏ふんの発酵状態確認
先日、アイナン産業様(養鶏場)へ導入していただきました発酵造粒装置の初期点検、原料として投入した鶏ふんの発酵状態確認を行いました。
こちらの農場ではウィンドレス鶏舎のふん乾装置の稼働を調整して、発酵しやすい水分状態で搬出後、若干の戻し堆肥を加えて水分調整を行い、発酵造粒装置のレーンへ投入します。
戻し堆肥を加えることは、既に発酵した菌を種として入れることになり、発酵の立ち上がりが早くなる効果があります。
弊社独自の逆転吹上ロータリーで撹拌を行うと、全体を均一に「ふわっ」とした空隙率の高い堆積となります。(※水分量が多い場合はこの限りではありません)
空隙率が高いと、ふんが空気と沢山触れることは当然ながら、エアレーションの効果も上がります。
撹拌数時間後には発酵温度が上昇して水蒸気が上がります。
特に床面よりエアレーションを掛けている場所(画像手前の赤い柱から奥の赤い柱まで)では、水蒸気が盛んに蒸散して、発酵と乾燥が促進されていきます。
50mのレーンの終盤部では発酵も落ち着き、造粒も進み粒状化された発酵鶏ふん堆肥となります。
この後、仕上げ乾燥を行い、選別用の篩機でサイズごとに分類し出荷されていきます。
過去にもお話しましたが、畜ふん(鶏ふん・豚ぷん・牛ふん)の発酵処理のポイントは3つだけです。
1.水(水分調節)
2.空気(撹拌とエアレーションによる供給)
3.温度(気温)
この3つだけです。
適切な水分調節、発酵菌の活動に必要な空気、そして温度。
さらに言うと、温度は季節に影響されますので、私達にはコントロールが困難です。
気温が低い11月~3月までは、どうしても発酵と乾燥に時間が掛かるようになります。
つまり、私達が行う仕事は季節に合わせた適切な水分調整とエアレーションの二つ。
これさえ管理出来れば発酵処理は難しいものではありません。
発酵がうまくいかないとお困り場合は、是非、弊社までご相談ください。
環境設備課 目黒