発酵鶏ふん堆肥の品質向上と悪臭対策
埼玉県の有限会社丸一養鶏場(採卵鶏)様へ製品選別トロンメル篩を導入していただきました。
既存の発酵舎の空きスペースを利用して設置を行いました。
通常はコンクリートピットを立ち上げ、その上にトロンメル篩を設置しますが、将来的に移設の可能性もあるとのことで、今回は移動可能なようにピットも製作させていただきました。
原料ホッパーから、2本のベルトコンベアを介して、トロンメル篩で選別されます。
こちらの養鶏場では、弊社の撹拌発酵造粒装置GTR5000型で1次発酵を行い、その後、他社様の撹拌機で2次発酵を行われております。
出来上がった、発酵鶏ふん堆肥はトラックに積んで近隣の農地へ還元しており、袋詰めなどはしておりませんが、粒状になった堆肥は好評との事でした。
トロンメル篩の導入に当たっては、鶏舎搬出から発酵造粒の行程中、入る可能性のある異物(金物や小石など)をお客様の農地に入らないようにする為とのことでした。
発酵鶏ふん堆肥の品質を上げることで、耕種農家の方が安心して使える堆肥となり、結果的に鶏ふんの最終処分に困らなくなるということでありました。
さて、今回、2日間にわたり堆肥舎内で設置作業を行って来ましたが、特筆すべきことがあります。
それは、悪臭をほとんど感じることがなく、快適に作業が出来たことです。
何よりこれは、適切な発酵管理がされている証でありますが、こちらの養鶏場では悪臭対策として使用されている新特別急酵(豊田通商㈱)の効果も大きいと感じております。
独自の高温菌と、その活動を促進する酵素(菌が有機質を取り入れやすい状態にする)の効果で、好機性の急速発酵とアンモニア臭を抑える特徴があります。
使い方は簡単です。
鶏舎から搬出された鶏ふんに新特別急酵を適量散布します。
あとは撹拌発酵造粒装置にお任せです。
撹拌後は新特別急酵が鶏ふんと満遍なく混ざり、1日~2日後には発酵温度が60度以上まで上昇します。
好気性の高温発酵を維持することで、嫌気性発酵特有の酸味の強い悪臭が出づらくなります。
また、アンモニアなどの刺激臭も抑えられ、今回のように堆肥舎内で作業をしても苦痛を感じることもなくなります。
機械的に悪臭を集めて消臭対策を施すことも当然、大事なことですが、悪臭そのものが出づらい状態を作ることが先決かと思います。
新特別急酵の利点は、基本的な設備投資が不要なことです。(エアレーションは必要)
脱臭装置などの設置の前に、一度、試されることをお勧めいたします。
発酵鶏ふん堆肥の品質向上と悪臭対策に興味をもたれた方は是非、弊社までご相談ください。
環境設備課 目黒