冬季(気温の低い時期)の発酵について
昨年末、発酵造粒装置の導入を検討されているお客様より
冬季の堆肥化の手法を知りたいとご要望がありましたので、
寒冷地(東北地方)の堆肥処理場の見学をしていただきました。
12月末の撮影ですが、発酵レーンの畜ふんからは発酵熱による湯気の上昇が盛んに起きておりました。
現場の責任者の方から、様々なアドバイスをいただきお客様にも満足していただけかと思います。
発酵の基本は「水」と「空気」と「温度」です。
簡単に言ってしまえば、発酵菌の活動条件を整えてあげるだけです。
責任者の方も仰っておりましたが、基本の3条件の中でも大事なことは
「水」と「空気」、つまり原料の水分調整(比重調整)であります。
この調整が上手くいけば、厳寒期、例えば外気温が氷点下10度近くなっても発酵するのです。
また水分調整の際、如何に原料の中に空気をすき込むかがポイントです。
畜ふんの中でも、ふんの粘性が強く、積んでおくと羊羹状になってしまう鶏ふんやウズラふんなどは特に水分調整が重要となります。
水分調整材は主に戻し堆肥が使われますが、この戻し堆肥の混ぜ方も重要になります。
原料の畜ふんと「練り込む」のではなく、より空気が入りやすいように「すき込む」が大事です。
原料の「空隙率」をいかにあげるか?
このことを念頭に調整を行うと発酵の立ち上がりが早くなります。
こちらの堆肥処理場の責任者の方も、弊社の発酵造粒装置の撹拌方式は
原料の空隙率を効率よく上げることが出来る装置と評価してくださっておりました。
こちらの発酵レーン長は33m、滞在発酵期間10日程度ですが
出口側では一次発酵が終わり、水分率も30%前後になっております。
今回、導入を検討されておるお客様は関東地方の比較的温暖な地域ではありますが
現在、使用されている発酵装置では、水分調整作業が非常にシビアであると感じていらっしゃるようです。
そういう点では、今回の見学で機械が変わることの不安が安心へと変わったかと思います。
冬季の発酵処理でお悩みの方は、是非、弊社までご相談ください。
環境設備課 目黒